ケース1:全社的な組織構造の改革

クライアント

世界シェアNo.1の素材メーカー

課題

世界トップのシェアは未だ維持しているものの、収益性が悪化しており、これ以上の成長も望めない。ある素材メーカーは、大きな岐路に立たされていた。そのメーカーは幾つか事業を営んでいたが、収益性が悪化している素材事業が全社売上の半分以上を占めており、事業ポートフォリオの早急な組み直しが経営の  最重要課題だった。

経営によってこれから成長させたい事業、効率化が必須な事業の色分けがなされ、各事業の基本戦略も見直されたが、一方で全社の組織構造は旧態依然のままで、あるべき事業ポートフォリオに適合したものにはなっていなかった。

プロジェクト概要

プロジェクトでは最初に、事業本部の括り方から検討を開始した。事業ポートフォリオにおける事業単位と整合させることは勿論のこと、事業間のシナジーや各事業の技術のつながりなど、事業本部のあり方について複数の論点から経営者と喧々諤々の議論を行った。

次に、収益が悪化している事業本部で組織の肥大化が顕著だったため、階層をスリム化し、意思決定プロセスを迅速にする組織設計を行った。この改革によってポストがなくなってしまう重役や、権限が限定される人が出るといった極めてデリケートな問題が生じるため、関係者の巻き込みや、キーパーソンの説得には相当の時間と労力を注ぎ込んでプロジェクトを進めた。

新しい組織の始動

新年度から、プロジェクトで検討した新しい構造へと全社の組織が大きく変わった。その過程では、一部の重役から予想されていた反発もあったが、経営トップの強い意志によって新しい組織へと舵が切られた。しかし、ここで改革が終わったわけではなく、休む間もなくプロジェクトチームは次なるテーマの検討に入った。

これからの成長事業では、新しい事業の種を見つけて早期に利益化する、事業インキュベーションの機能  が極めて重要にも関わらず、現時点ではこの機能が不足しているという課題があった。プロジェクトチームは、事業インキュベーションを担う組織の設計にチャレンジすることになった。